支笏湖と山線~王子軽便鉄道~(8)
掲載日:2020.12.10
王子軽便鉄道と支笏湖について、各種会合で説明用に使用していたパワーポイント資料を使ってこのHPで1ページづつ紹介させていただいています。今回はその第8回目です。
前回に引き続き「山線便乗券」についてお知らせします。
1989(平成元)年10月3日付けの苫小牧民報に「あったゾ幻の切符 元山線駅員、田村さん保存」という見出しの記事がありましたので、その記事の沿って書いてみます。
切符の本物を保存している人(施設)がいなかったため、「幻の切符」と言われていたのですが、その訳は切符は2枚一組になっており、車掌が料金を受け取るとパンチを入れて1枚を乗客に渡し、乗客は降りるときに駅員に渡すため乗客の手元には残りません。また、車掌の控えの1枚は苫小牧駅ですべて処分していたとのこと。従って乗客にも駅にも切符は残らなかったそうです。
この貴重な切符が山線で働いていた苫小牧の田村さんという方が保存していたことが分かり貴重な証言も得られたということです。
現在この切符は、王子製紙の迎賓館(王子クラブ)に保管されていますが一般公開はしていないため、苫小牧市美術博物館(写真)か小樽市総合博物館(複製)でご確認ください。
なお、昭和23年頃には裏書はなくなっていたそうで、「事故があっても責任を負わないというのは如何なものか」との声が上がり廃止されているようです。戦後の民主主義の時代ではもっともな意見だったのでしょう。
※本日午前10時から2021千歳・支笏湖氷濤まつりの安全祈願祭が支笏湖神社で開催されました。下の写真はその時の様子です。参列者一同、作業の安全はもちろんのこと、新型コロナ感染予防をしっかり行うことを誓ったところです。