支笏湖と山線~王子軽便鉄道~(3)
掲載日:2020.09.21
王子軽便鉄道と支笏湖について、各種会合で説明用に使用していたパワーポイント資料を使ってこのHPで1ページづつ紹介させていただいています。今回はその第3回目です。
写真左上:完成(1910年)直後の第一発電所内部の様子です。大きな機械が左右に並んでいますが、右が水車、左が発電機です。水鉄砲の要領で水車に高圧の水を吹き付けその回転力を左の発電機に伝え発電します。
水車はスイスのエッシャーウイス社製、左の発電機にはアメリカ・ゼネラルエレクトリック社(GE)の刻印と他の発電機には芝浦製作所(〇に芝のマーク;現在の東芝)の刻印もあります。
写真左下:現在の第一発電所です。建物を含め内部の様子もほとんど昔のままです。
国内最古の産業用現役発電所として近代化産業遺産群(経産省)に認定されています。
写真右:現在の支笏湖ビジターセンターの暖房ボイラーの表示です。下から2行目に60㎐(ヘルツ)とあります。
北電の電気は全て50㎐(ヘルツ)ですが、王子製紙が発電する電気はアメリカの技術を導入しているため現在も
60㎐(ヘルツ)のままで、その供給を受ける支笏湖地域の電気も60㎐(ヘルツ)なのです。北電の送電線とは繋がっておらず、このため2018(平成30)年9月の胆振東部地震の際は、支笏湖地域だけはブラックアウトの被害がありませんでした。
下の写真は現在の第一発電所外観と下から見上げた導水管、130mの落差を一気に流れ落ちます。建物外観はレンガ造りですが灰色部分があります。これは戦時中、アメリカ軍の攻撃から守るため目立たぬよう塗られたものです。