支笏湖と山線~王子軽便鉄道~(2)

掲載日:2020.09.04

支笏湖と山線~王子軽便鉄道~(2)

王子軽便鉄道と支笏湖について、各種会合で説明用に使用していたパワーポイント資料を使ってこのHPで1~2ページづつ紹介させていただいています。今回はその第2回目です。

 

上の写真左上:発電所建設のための資材輸送に敷設された王子軽便鉄道(山線)ですが、当初は写真にあるように馬車も使われていました。

上の写真右上:今も現役で使われている取水のための堰堤です。1909(明治42)年に完成しており、この堰堤の完成により支笏湖の水位が5m上昇したといわれています。現在は選奨土木遺産(土木学会)に認定されています。

上の写真下:1910(明治43)年に完成した第一発電所です。130mの落差を利用した4本の導水管がわかります。その後6本になった時期もありましたが現在は完成当時と同じ4本です。第一発電所の完成により同年苫小牧工場が操業を開始しました。

レンガ造りの発電所上屋の横には家屋がたくさん見えますが、ここに小学校があり支笏湖畔に住む子どもたちは山線に乗って通学していました。また、戦時中はレンガ色が目立つという理由で灰色に塗られ、その塗装あとは今も確認できます。当ミュージアムでは、この頃の思い出を語っていただいた座談会の模様を映像でご紹介しています。

下の写真:その後、第二発電所1916(大正5)年、第三発電所1918(大正7)年、第四発電所1919(大正8)年、第五発電所1941(昭和16)年が完成し、この頃には支笏湖畔の多くの家屋では電灯が灯っていたようです。因みに北海道電力の設立はその10年後です。

下の写真左下:第四発電所工事で働く女性の写真です。服装や乗っている船の形からアイヌの女性と丸木舟と推察されます。

現在第一発電所だけは導水管上部から発電所を見下ろすことが出来ます。横にある鳥瞰図のスイッチを押すと音声の解説が流れます。紅葉の時期にはここからの景色は壮観です。

 

支笏湖と山線~王子軽便鉄道~(2)
支笏湖と山線~王子軽便鉄道~(2)
支笏湖と山線~王子軽便鉄道~(2)
支笏湖と山線~王子軽便鉄道~(2)