「支笏湖日記」に見る湖畔の思い出(4)
掲載日:2021.03.10
2020年1月31日に休刊となった千歳民報には、毎月1回「支笏湖日記」というコラムがあり(今は苫小牧民報に掲載)、私も執筆者の一人として支笏湖で見たこと感じたことなどを書いてきましたので、恥ずかしながらこのトピックスで紹介したいと思います。
今回はその4回目、アイヌの民話「シコツ湖のあめうお」です。
現在支笏湖に生息する魚類は13種類くらいと言われていますが、いわゆる在来種はアメマスとハナカジカの2種類です。ではなぜこの2種類がだけなのか。支笏湖と言えばヒメマス(チップ)を思い浮かべる方が多いと思いますが、お分かりになりますか?
それは、支笏湖が誕生し千歳川が流れ出た時に、浸食による大きな滝(ナッソウの滝、ポロソウの滝等)が出来る前に海から遡上できたのがアメマスとハナカジカだけだったと言われているからです。
この民話に出てくる「あめうお」はアメマスのことと思われますが、アイヌの人々にとってもアメマスは身近な魚だったのでしょう。
また、下の写真は千歳川第四発電所(完成1919年)の工事現場の写真です。乗っている舟(丸木舟)や服装から推察してアイヌの女性たちです。このように支笏湖とアイヌにはいろいろな接点があることが分かります。